ハブとケーブルを使って接続されたネットワークを有線LANと言います。
図中の機器は以下の名称で呼ばれています。
(a)モデム
(b)ルーター
(c)ハブ
(d)LANケーブル
(e)ネットワークインターフェイス
(f)プリンター
(g)コンピューター
各機器の働きは以下です。
(a)モデムまたは光回線終端装置(ONU(Optical Network Unit)) |
家庭やオフィスのネットワークは外部のネットワーク(インターネット)と回線で接続されています。ネットワークの出入口であるコンピューターやルーターは、信号をそのまま受け取ることができないため変換する必要があります。 変換する信号の種類によって主に以下の2つの機器があります。
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(b)ルーター |
ネットワークの出入口にあるのが「ルーター」です。ルーターは各機器と外部との信号を中継する役割を持っています。ルーターがインターネットに接続できるようになっていると、ネットワーク内の機器もインターネットに接続できます。 ルーターはネットワークの出入口にあることから、ルーターごとにネットワークの一つの単位とみなすことができます。このネットワークの単位を「セグメント」と言います。 |
(c)ハブ |
ルーターには複数の機器が直接接続できないため、「ハブ」に「(d)LANケーブル」を使ってプリンターやコンピューターなど複数の機器を接続します。ハブとルーターが1つになった製品もあります。 |
(d)LANケーブル |
ハブとネットワークインターフェイスなどの機器を接続するための通信ケーブルです。 LANケーブルにはノイズ防止機能によってUTP(Unshielded Twist Pair)とSTP(Shielded Twist Pair)、転送速度によってカテゴリの分類があり、製品や機器によって最適なケーブルを選ぶことが必要です。 |
(e)ネットワークインターフェイス |
ネットワークに関するコントロールを行う装置を「ネットワークインターフェイス」と言います。この装置は「(f)プリンター」には内蔵されています。またコンピューターでは内蔵されていたり、カードやアダプターで追加したりするタイプがあります。LANケーブルはこの装置の入り口であるLANポートに差し込みます。 インターフェイスに設定されている、固有の物理的なID番号をMACアドレスと言います。 MACアドレスは主に12桁の16進数で表されています。前半部分はMACアドレスを管理している機関からネットワークインターフェイスのメーカーに割り当てられた数字が使われ、後半はインターフェイスの製造時にメーカーによって重複がないように割り当てた数字が用いられます。 |
IPアドレス
ハブを通った信号を各機器に送るには、各機器を識別する必要があります。住所がわからないと手紙が届かないように、ネットワークでもその機器を識別するための住所が必要です。これを「IPアドレス(Internet ProtocolAddress)」と呼んでいます。IPアドレスはコンピューターや機器が接続されているネットワーク(サブネット)のアドレス(ネットワークアドレス)とその機器自身のアドレス(ホストアドレス)で成り立っています。
IPアドレスの割り当て
IPアドレスは重複できないので、接続する機器が所属するネットワークで固有のIPアドレスが割り当てられます。
IPアドレスにはグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスがあります。インターネットに接続するにはグローバルIPアドレスが必要で、これは世界的な機関で一括管理され、インターネットのプロバイダーに割り当てられています。 プロバイダーは割り当てられたアドレスの範囲で契約者(回線使用者)の機器にIPアドレスを割り当てます。
家庭やオフィスなどのローカルエリアネットワーク(LAN)では、そのネットワーク内だけで有効なプライベートIPアドレスを機器に割り当て、ネットワークに接続します。プライベートIPアドレスだけでインターネット接続ができるのは、ネットワークの出入口にある機器(ルーターやサーバー)がそのネットワークを代表してグローバルIPアドレスを持っていて、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換しているからです。
IPアドレスはそのネットワークの入口にあるルーターやサーバーなどの主にDHCPと呼ばれる機能によって動的に割り振られたり、プロバイダーやネットワークの管理者によって手動(静的)で割り当てられたりします。動的に割り当てられたIPアドレスを持つ機器は、切断や再接続に別のIPアドレスが割り当てられる場合があります。IPアドレスが変わると不都合がある場合は、ネットワーク管理者やプロバイダーに静的なIPアドレスを割り当ててもらいます。
デフォルトゲートウェイ
ネットワークから、インターネットなど外部のネットワークに通信を行う場合に、相互で通信できるようにネットワークの出入り口でデータを変換する機器をゲートウェイと言います。家庭やオフィスの有線LANや無線LAN(Wi-Fi)からインターネットに接続する場合はルーターがこの役割をし、ルーターのIPアドレスをデフォルトゲートウェイと言います。
サブネットマスク
IPアドレスのネットワークアドレスとホストアドレスを識別するための数値です。IPアドレスに被せることによって、IPアドレスのネットワークアドレスとホストアドレスの区切りを見つけることができます。
有線LANの通信規格
有線LANには伝送速度、伝送媒体、転送方式などによって1000BASE-T、100BASE-TX、10BASE-Tといった規格があります。それぞれに通信モードがあり、ハブと機器との通信モードが合致しないと通信できません。